酒場の痴話喧嘩 

Hearthstone™についてお話しします。共感してほしい。

性悪プリーストのすゝめ

皆様、はじめまして。ユ夕州と申します。

この記事を読んでいるあなたがどういう経緯でここに辿り着いたのかは存じ上げませんが、私はハースストーンというカードゲームの話しかしないオタクです。ご了承ください。

 

さて、記事をUPした今日は1月29日。そう、月末です。

聡明な読者の方々はお気づきでしょうが、私はいわゆるラダーモンスターと呼ばれる類の妖怪ではありません。

 

つい先日、スタンダードフォーマットでレジェンドを達成し、自作クソファンデッキで順位を4000位まで落とした後、ランク戦に潜ることに飽きてしまい、やることねぇなぁと手持ち無沙汰になっていたところで、「ブログでも一丁やってやろうかい」という次第です(?)。

 

ブログを始めた理由は、いろいろあるのですが、そんなこまけぇ話は置いといて、

それでは早速、私が愛してやまない『性悪プリースト』というデッキについてお話ししたいと思います。

 

......とその前に本ブログの方針を少しお話させてください。当ブログは初心者の方にも読んでいただけるブログを目指しております。そのため基礎的なことを多く含みますので、どうぞご了承ください。

 

 

性悪プリーストって?

性悪プリーストは、最新拡張パック「コボルトと秘宝の迷宮」で新たに登場した中立ミニオン≪性悪な召喚師≫をキーカードとしたプリーストの新しいデッキタイプです。

 f:id:sofutah:20180129212531p:plain

≪性悪な召喚師≫の効果を活かすために、デッキ内の呪文カードを≪琥珀の中に眠るもの≫と≪精神支配≫といった高コスト呪文カードに絞るというコンセプトのデッキです。そのため、ビッグスペルプリーストという名前で呼ばれることもあるそうです。

f:id:sofutah:20180129212616p:plainf:id:sofutah:20180129212711p:plain

また、「コボルトと秘宝の迷宮」リリース直後に、日本人HSプレイヤーのsatelliteさんがこのデッキを考案、使用し、レジェンド上位に到達したため、satelliteプリースト、さてぷり、というような愛称で呼ぶ日本人プレイヤーもいます(私です)。

dekki.com

 

 

基本的戦い方

かなり有名なデッキなので、「今更説明することなの?」という気持ちと、「お前みたいな3流HSプレイヤーがそれ語る?w」という気持ちがそろそろ私の心をブロークンマイハートですが、一応していきたいと思います。

 

このデッキは前述の通り、≪性悪な召喚師≫が主役のデッキです。

≪性悪な召喚師≫は、6コストで自身の4/4に加え、ランダムな8コスト or 10コストのミニオンをただで召喚できる、破格のパワーを持ったカードです。

一方で、軽い除去スペルや優秀なAoEスペル(注1)をデッキに入れられないため、プリーストの強みであるスペル主体のゲーム展開がしづらいというデメリットもあります。

注1:Area of Effectの略。全体除去のこと。

 

特にゲーム序盤はプリーストのもつミニオンだけではアグロタイプ(注2)のデッキと互角に戦うのは厳しいですが、「コボルトと秘宝の迷宮」で発表されたとあるカードのおかげである程度解決できます。

そう、≪ダスクブレイカー≫です。

注2:攻撃的なタイプのデッキのこと。アグロタイプのドルイドは比較的簡単に作れるので初心者におススメ。

f:id:sofutah:20180129213126p:plain

リリース前から各コミュニティで、「強すぎ」とか「ぶっ壊れ」とか「ベンブロードほんま○○(注3)」などと話題にされていた≪ダスクブレイカー≫ですが、彼らの期待を裏切らなかったことは全世界7000万人のHSプレイヤーの認めるところだと思います。

ドラゴンシナジーを維持しないとその効果を発動できないというデメリットはありますが、優秀なドラゴンカード(注4)をもつプリーストにとってそこまで大きなデメリットではないでしょう。

注3:ベンブロード(Ben Brode)。ハースストーンのゲームディレクター。ラッパーとしても活躍。

注4:≪テンポラス≫のことではない。

 

強力なドラゴンカードで序盤を戦いつつ、6マナ溜まったら≪性悪な召喚師≫で一気にボードを制圧し、それでも喰らいついてくる相手も強力な高コスト呪文で圧倒する、というのがこの性悪プリーストというデッキの基本的な戦い方です。

 

コボルト環境における性悪プリースト

さて、前述しましたが、このデッキは環境初期とはいえ(注5)、レジェンド上位に到達しています。また、先日開催された世界選手権でも、とある選手(注6)がこの性悪プリーストを使用していました。

注5:私が知らないだけで今もこのデッキでレジェ上位に到達して人がいるかも。

注6:Ant選手のこと。昨今は≪メテオ≫ケアしても、≪圧し潰す壁≫ケアができていないといわれてしまう。

 

 

つまり、このデッキは強いです!断言します、強いです!

 

......少し言い過ぎた感はありますが、ランク戦で使用しても全く問題ないレベルの強さだと思います。実際、ランク戦でよく見かけるデッキタイプですし、自分も今月、このデッキを使ってランク8からランク2まで登りました。

そこで本項では、実際に性悪プリーストを使った私が、今環境における各デッキに対する性悪プリーストの強みを、個人的見解からご紹介していきたいと思います。

 

(注意:この項は、ある程度ランク戦環境への知識が必要なので、よくわからなかったら飛ばしてください。しかし、この次の項は初心者の方に是非読んでほしいです。)

 

対アグロ(アグドル、パラディン、シクメ)

正直、不利マッチではありますが、それでもそこそこ戦えるところにこのデッキの強さがあります。≪ダスクブレイカー≫でなんとかしましょう。

ゲームの主導権さえ握られればこっちのものです。

 

この中でもアグロパラと呼ばれるデッキが特に苦手であるように感じます。

聖なる盾持ちが多く、≪ダスクブレイカー≫で処理しづらいことや、≪性悪な召喚師≫などで出した強力なミニオンを≪太陽の番人タリム≫で弱体化されてしまうのが理由だと考えられます。

f:id:sofutah:20180129213241p:plain

対テンポローグ

有利マッチです。テンポローグに多く出会う日は性悪プリーストを使うことをお勧めします。それくらい有利なマッチだと思います。

序盤こそテンポローグの方が強く立ち回ることができますが、テンポローグが序盤に展開できるミニオンのほとんどを≪ダスクブレイカー≫で処理できます。またその直後に、≪性悪な召喚師≫1枚で比較的大型のミニオンを並べるという、テンポローグが返答に困るような盤面を容易に形成できます。

さらに、(個人的にはこれがこのマッチアップでの一番の強みだと思うのですが、)≪ひとまねグリマールート≫や≪ドラゴニッド諜報員≫などの「相手のデッキのカードを奪う」カードがこのマッチアップで猛威を振るいます。≪死角からの一刺し≫、≪SI:7諜報員≫、≪ヴァイルスパイン・スレイヤー≫などのカードはテンポローグに面白いぐらいぶっ刺さります。

f:id:sofutah:20180129214013p:plainf:id:sofutah:20180129214115p:plain

f:id:sofutah:20180129213426p:plainf:id:sofutah:20180129213604p:plainf:id:sofutah:20180129213713p:plain

このマッチアップは、性悪プリーストの強みを最も引き出せるマッチアップといっても過言ではないでしょう。

 

対コントロール(注7)(ラザカス、翡翠ドル、コンウォロ)

程度に差はありますが、どのデッキとも互角にやりあえると私は思っています。

 

ラザカスの豊富なAoEを受けきってなお強力なミニオンを展開するだけの持続力があります。

新環境でますます磨きのかかった翡翠ドルの高い防御力を打ち砕く攻撃力ももっています。

そして、ウォーロックが新たに手にした最強の盾≪ヴォイドロード≫を懐柔する交渉力(注8)も持ち合わせています。

注7:序盤は相手の攻撃をAoEカード等でかわしながら、後半に強力なカードで反撃を狙うタイプのデッキ。アグロ>ミッドレンジ>コントロールの順に攻撃速度が速い。

注8:精神支配のこと。お洒落な言い回しがしたかったのです。許して。

f:id:sofutah:20180129213847p:plain

RNG要素(注9)の比較的多いこのデッキは、対コントロールとのロングゲームでは負けパターンは同じでも、毎試合違うゲーム展開になることが多いですし、勝ち方も様々です。そこがこのデッキの面白いところでもあります。

注9:Random Number Generationの略。運要素のこと。

 

性悪プリーストの魅力

長々と性悪プリーストについて語ってきましたが、この項が本題です。

 

私は性悪プリーストの魅力を皆さんに知っていただきたい。こういったデッキタイプが評価されてほしい。同じように魅力的なデッキタイプが数多く開発されてほしい。開発できるだけのカードプールが欲しい。ハースストーン最高。

 

私はそう思っています。

そうだからこそ、このデッキを皆さん(特に初心者の方々)に勧めたいわけです。

 

まず、第一にとても作りやすい。

このデッキは基本、レジェンドカードを一枚も必要としません。

環境で結果を残しているデッキに必要な魔素が年々高騰している中、比較的お安いデッキです。

 

 

しかし、これはこのデッキの魅力のほんの一部でしかありません。

 

先ほども少しお話しましたが、このデッキにはRNG要素が多く含まれます。

このRNG要素がこのデッキを最も魅力的にしている要素だと断言します。

 

RNG要素は諸刃の剣です。

ある程度のRNG要素はpaveling book(注10)のように、ゲームを最後までわからなくさせてくれる一つの希望にもなり得ますし、行き過ぎたRNG要素はバランス調整前の≪希望の終焉ヨグ=サロン≫のように、それまでの戦略をすべて否定する絶望の権化にもなり得ます。

注10:2016年世界選手権で優勝したPavel選手が同大会で≪おしゃべりな本(Babbling Book)≫から神引きしたことを指しています。デッキ外呪文って最高。マージ最高。

f:id:sofutah:20180129214500p:plain

この記事を読んでくださっている方の中には、戦略的なカードゲームを作るという観点では、RNG要素はできるだけ排除すべきだという人もいらっしゃる方もいるかもしれません。

しかし、このRNG要素があるからこそのカードゲームであり、それが人々を惹きつけるのだと私は思います。そもそも山札からカードを引くという行為を行うカードゲーム自体からRNG要素を取り除くことはできません(注11)。カードゲームの面白さは、毎ターン生じるランダムな変化に、持てる手札を使って対応していく、その上手さを競う競技だと私は思います。

注11:マビノギデュエルというドローの存在しないカードゲームもありますが......

 

そういった意味で、ハースストーンのもつ「発見」というメカニズムをはじめとしたRNG要素はとても素晴らしいものです。

毎試合ごとにゲーム展開は異なるはずです。時には予期しないゲーム展開になることもあるでしょう。その状況合わせてカードを選択し解決するチャンスを与えられます。また、その相手もそうした予期せぬ変化に対応することを求められます。だからこそエキサイティングです。プレイヤーも観客も手に汗を握ります(注12)。「発見」というメカニズムはプレイヤーの自己表現が可能なRNG要素なのです。

注12:2017年世界選手権準決勝、Fr0zen選手 vs Sintolol選手の最終戦はその好例だと思う。ggwp。

 

性悪プリーストではその「発見」メカニズムを十分に楽しむことのできます。相手に合わせて適切なカードを発見し、このデッキのもつ低コストスペルが少ないという欠点を補いながら戦うのがこのデッキの楽しいところです。

 

また、「発見」のような選択可能なRNG要素も楽しさの一つですが、≪性悪な召喚師≫の選択不可能なRNG要素ももちろん楽しい要素の一つです(注13)。このデッキでは≪性悪な召喚師≫の効果により、8コスト or 10コストの大型ミニオンがランダムに召喚されます。その候補の中には初心者がまだもっていないような強力なレジェンドミニオンが数多く含まれます。これほど数多くの様々な強力なミニオンを扱えるデッキはそうそうないと思います。

注13:まあ自分も相手にいきなり≪ティランタス≫だされたらブチ切れるけど。

 

ここまで長々と、とりとめもない話を続けてきましたが、何が言いたいかというと、

 

性悪プリーストって最高。マージ最高。

 

 

最後に

たくさん文字を打ち込んだので疲れましたが、よくわからん人間のよくわからん記事を読んだあなたのほうが疲れていることでしょう。ここまでお疲れ様でした。そして、ここまで読んで下さりありがとうございました。

 

初心者の方に優しい記事を書くことを目標に書きましたが、この記事を書いた目的は、ハースストーン界を盛り上げていこうとかそういったものではありません。

ただ、より多くの人に自分の思ったことを皆さんに共感してもらいたかっただけです。なので、もしこの記事を読んで何か思うことがあれば、何かしらアクションしていただけると幸いです(批判でも構いません)。

 

機会があればまた記事を書きたいと思うので、次もぜひ読んでくださいね。

 

---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

ツイッターとハストドンやってます。

フォローミー!

twitter: ユ夕州@utah_shu

hearthtodon: ユ夕州@yuta